※この記事は三部作の第2話です。
① 転職(企業選定)
② 人生設計(生活圏と覚悟)
③ 人間関係(理不尽と決断)
今回は「生活圏と覚悟」の話。
転職を考えた理由は、キャリアだけじゃなかった。
もっと根っこの話だ。
一度、生活圏をリセットしている。
娘が生まれて1歳になる直前に、出向で県外へ。
自分は仕事があった。
でも妻は違った。
土地勘もない。
知り合いもいない。
出向前日、こう言われた。
「またママ友作り直すよ」
明るく言ってくれた。
でも、どこか哀愁があった。
そもそも知り合いもいなかった今の場所で、妻が自力でせっかく積み上げたコミュニティ。
やっとできた関係。
それをまた壊す可能性がある。
その原因は、自分の仕事だった。
そう考えたときに、申し訳なさが残った。
生活をゼロから作り直すのは、想像以上に体力と精神力が消耗する。
自分は“仕事がある側”だった。
環境を選べない側の妻の負担を、完全には理解できていなかった。
だから次は、ここで根を張ると決めた。
家を買った。
投資でも見栄でもない。
「もう動かさない」という覚悟だった。
生活圏を固定するという意思表示。
子どもが転校しなくていい場所。
妻が人間関係を積み上げられる場所。
ここで暮らす、と決めた。
でも現実は違った。
会社がなくなれば、出向解除で県外に戻るのは確定していて、生計を保つにはそれしかなかった。
つまり、
自分の覚悟よりも会社都合のほうが強く、支配されている感覚がつよかった。
家を買っても、最終決定権は会社にある。
その構造が、ずっと引っかかっていた。
子どもが転校しなければいけない。
妻の生活圏を再びリセットさせなければいけない。
持ち家の扱いをどうするのか。
そんな局面が、全部自分の意思とは無関係に決まる可能性がある。
転職はキャリアアップではない。
選択権を取り戻す行為だった。
もう一度、生活圏をリセットする未来は選びたくなかった。
30代後半の転職は、夢を追う話じゃない。
守るための構造修正だ。
生活の土台を、会社都合に預けっぱなしにしないための決断だった。
幸いにして自分のは仕事の選択肢はまだあった。
それは今までの実績もそうだが、そこそこのコミュ力にも自信があった。
一度転職しているから、なんとなく2~3か月で周りの人となじめると思ってた。
そう思えば2回目の転職にそこまで不安を感じることなく挑めた。
次回は、転職を決意した人間関係の話を書く。
人間関係:会社:業界=5:3:2。
きれいごとでは済まない部分に触れる。