転職

【第二転職期 第4話】生活圏をリセットしないと決めた日

※この記事は三部作の第2話です。
① 転職(企業選定)
② 人生設計(生活圏と覚悟)
③ 人間関係(理不尽と決断)

今回は「生活圏と覚悟」の話。

転職を考えた理由は、キャリアだけじゃなかった。

もっと根っこの話だ。

一度、生活圏をリセットしている。

娘が生まれて1歳になる直前に、出向で県外へ。

自分は仕事があった。
でも妻は違った。

土地勘もない。
知り合いもいない。

出向前日、こう言われた。

「またママ友作り直すよ」

明るく言ってくれた。

でも、どこか哀愁があった。

そもそも知り合いもいなかった今の場所で、妻が自力でせっかく積み上げたコミュニティ。
やっとできた関係。

それをまた壊す可能性がある。

その原因は、自分の仕事だった。

そう考えたときに、申し訳なさが残った。

生活をゼロから作り直すのは、想像以上に体力と精神力が消耗する。

自分は“仕事がある側”だった。

環境を選べない側の妻の負担を、完全には理解できていなかった。

だから次は、ここで根を張ると決めた。

家を買った。

投資でも見栄でもない。

「もう動かさない」という覚悟だった。

生活圏を固定するという意思表示。

子どもが転校しなくていい場所。
妻が人間関係を積み上げられる場所。

ここで暮らす、と決めた。

でも現実は違った。

会社がなくなれば、出向解除で県外に戻るのは確定していて、生計を保つにはそれしかなかった。

つまり、

自分の覚悟よりも会社都合のほうが強く、支配されている感覚がつよかった。

家を買っても、最終決定権は会社にある。

その構造が、ずっと引っかかっていた。

子どもが転校しなければいけない。
妻の生活圏を再びリセットさせなければいけない。
持ち家の扱いをどうするのか。

そんな局面が、全部自分の意思とは無関係に決まる可能性がある。

転職はキャリアアップではない。

選択権を取り戻す行為だった。

もう一度、生活圏をリセットする未来は選びたくなかった。

30代後半の転職は、夢を追う話じゃない。

守るための構造修正だ。

生活の土台を、会社都合に預けっぱなしにしないための決断だった。

幸いにして自分のは仕事の選択肢はまだあった。

それは今までの実績もそうだが、そこそこのコミュ力にも自信があった。

一度転職しているから、なんとなく2~3か月で周りの人となじめると思ってた。

そう思えば2回目の転職にそこまで不安を感じることなく挑めた。

次回は、転職を決意した人間関係の話を書く。

人間関係:会社:業界=5:3:2。

きれいごとでは済まない部分に触れる。

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